ゆとり世代の自由研究

勉強が一生終わりません

原価管理

生産技術とは最も安くものをつくる技術とも言えます。

 

ものを売るときの価格を「製品販売価格」、「売価」と呼びます。

 

ものをつくるのにかかるコストを「製造原価」と呼びます。

通常は、製品1台あたりの製造原価の管理を行い、売価に対して「利益」を確保します。

製造原価を正確に集計するのが難しい理由は、製品1台あたりの原価が生産数量の増減によって変動するためです。

一般的には製品1台を作るのに必要な部品や材料、加工費を「直接費」と呼び

台数に比例しない設備費、家賃や事務員などを「間接費」と呼びます。

 

初心者は、直接費の低減を考えましょう。

 

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商品の量産準備フロー

商品を設計して製造する場合、完全オーダーの一品ものと

カタログ販売などの量産もので生産技術も異なります。

 

ここでは年間数千~数十万台程度の量産型商品をイメージして

量産準備の生産技術を考えます。

 

量産型商品では、部品を安価に大量につくることが求められます。

金属部品は、プレス金型を利用した板金設計が望ましく

樹脂部品は、射出成型金型を利用した設計が望ましいです。

 

量産準備フローのイメージ(顧客要求仕様と原理確認済みの前提)

1)製品仕様の仮決定(図面、仕様書、部品表など)

2)材料、加工方法、設備の検討

3)内製と購入部品の検討

4)検討結果を反映して製品仕様の決定

5)加工先にて試作と条件確認

6)評価(要求仕様の再現確認)

7)量産開始

 

 

図面の見方

図面を読めるようにしましょう。

製図を習ったことがない人も図面が読めないと次に進めません。

 

機械図面についてわかりやすいサイトです。

製図を初めて学ぶ方へ

 

初心者は図面を見たら、形状を見る前に標題欄に注目してください。

・加工図面の場合

 名称

 材質 ⇒ 加工方法がある程度決まるので工法を検討します。

 表面処理指示など ⇒  工程の検討をします。

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・組立図の場合

 名称

 部品表 ⇒ 必要な部品を確認して組立方法を検討します。

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加工と組立

アセンブリ型工場では部品を組み付けて製品をつくります。

そこで単品部品をつくる工程を「加工」、組み付けて製品をつくる工程を「組立」と分けて考えます。組立を行うメーカーをセットメーカーと呼んだりします。

セットメーカーの工場では「加工部門」と「組立部門」を有する場合と、「組立部門」のみの場合があります。「加工部門」を持たない場合は、部品は全て購入する必要があります。「加工部門」を持っている場合でも、内製部品と購入部品を使い分けるのが普通です。

 

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工場のタイプ

 工場には大きく2つのタイプがあります。

自分の工場がどちらのタイプか認識しておきましょう。

 

・プロセス生産型

 連続的にものをつくるタイプです。鉄鋼や化学メーカなどプラント系あるいは食品系などが代表です。生産技術力は設備技術と言ってもよいかもしれません。

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 ・アセンブリ生産型

 ロットでものをつくるタイプです。自動車や家電メーカなどが代表です。生産技術力は4Mの総合バランスで決まりますが、Manの要素が比較的大きいところがよくも悪くもおもしろいところだと思います。

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 私が院卒で入社したのが鉄鋼メーカで、28歳の時に民生器具セットメーカに転職しました。プロセス型とアセンブリ型では、まったく異なる部分が多いですが、QCDESと4Mを意識すると「ものつくり」の考え方は共通部分が多いと思います。

 

 このブログは、家電や民生器具の生産技術の視点で書いていきます。

生産技術とは

生産技術は「合理的にものをつくること」です。

 

「ものづくり」の考え方です。

 

「もの」の仕様

 QCD(ES)を正しく認識する。

 Q:quality 品質

 C:Cost 原価

 D:Delivery 納期

 E:Environment 環境

 S:Safety 安全性

 

「つくり」の最適化

 4Mの制約条件を認識して最適化する。

 M:Material 材料

 M:Method 工法

 M:Machine 設備

 M:Man 人

 

 

 

はじめに

生産技術とは「合理的にものをつくる技術」と考えています。

ゆとり第1世代、現在38歳の現役エンジニアです。

 

日本の生産技術は世界一と言われていますが、自分の技術は世界で通用するのか?

 

生産技術者の視点から「ものづくり」について書いていきます。

 

よろしくおねがいします。